世界の高齢者


健康寿命を延ばす生活
実践に遅すぎることはない
 健康寿命とは、介護を必要とせず、寝たきりにならずに、自立した生活ができる生存期間だ。厚生省が算出、今年の6月に発表した2010年の日本人の健康寿命は、男性70.42歳(10年の平均寿命79.55歳)、女性73.62歳(同86.30歳)となる。健やかな老後を迎えるためには、平均寿命と健康寿命の差をできる限り小さくする努力が必要だ。
 ノーベル生理学医学賞の選考にあたるスウェーデン・カロリンスカ研究所は、75歳以上の高齢者1810人を分析、健康に留意した生活を送ることで、男性では6年、女性では5年長生きすることができるという研究結果を8月末に発表した。
 運動不足、肥満、タバコ、過度のアルコール摂取を避ける健康生活のスタートに遅すぎることはない。喫煙者の寿命は1年短いが、中年に達して禁煙をすれば、その効果は一生タバコを吸わなかった人と変わらなかった。水泳、ウォーキング、体操など適度な運動を生活に取り入れると約2年、交友関係に恵まれると1年半寿命が延びる。また85歳を過ぎてから、以上の健康法を実行すると、さらに4年間長生きができるという。
 高齢であればあるほど健康生活が大切であり、その効果も大きいことが明らかにされた。たとえ70歳代になっていても、健康を意識して前向きに生きたい。同時に家族、知人に囲まれ、充実した日々を過ごすことができれば、健康寿命はさらに数年間延びるということもわかった。
 健康は失ってみて、その大切さが初めてわかるという。健康を維持するための努力は、早きに失することもなければ、遅きに失することもない。敬老の日を迎えるにあたり、毎日の地道な積み重ねが健康長寿へと導いてくれることを確認しておきたい。
日刊工業新聞 2012年9月14日日

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